和田八幡宮界隈散策

古代の歴史と近代の歴史が
刻まれる土地

 

はじめに和田地区について...

地名について

和田八幡神社縁起によれば、天徳三年(957年)に守護多田満仲が霊夢により、山城国石清水八幡宮に摸して和田ノ庄の地に八幡の神を勧請しました。この時代既に和田ノ庄という名称は存在していることは明らかです。

近代の歴史

福井大空襲

昭和二十年七月十九日午後十一時、空襲警報のサイレンと同時にB29百二十機が福井市上空に飛来、約一時間半にわたって爆弾、焼夷弾、照明弾を織り交ぜて投下、投下方法も妙を極めたので市民逃場を失って死傷者続出、全市はおろか、郊外部落までも一瞬にして火の海と化し、上空には二米余りの銀翼の右往左往する様を眺めるのみ。又、日本電波探知の妨害のためにニューム板の投下もあった。焼夷弾は親子焼夷弾であり、空中に於いて数十発に分散して点火、雷光に等しい光を放ち、大雨が降るような音を出して落下した。この時当地区はほとんど最後の数機によって被害を受けた。

福井大震災

昭和二十三年六月二十八日、朝来気温高く空はどんよりと薄雲の日、午後五時十四分、突如、物凄い地鳴り、秒後に来た一大震動。人は倒れて地に転び、相次ぐ轟然たる響きにあらゆる家は倒れた。立ち上るおそろしい土煙、家の下敷きとなって救いを求めるさけび、父は子を呼び、子は母をたずねて泣きわめく数分、ここにもかしこにも猛火に漸く戦火から復興の緒についた郷土福井も再び壊滅的打撃をうけた。

それから四年郷土は再度立ち上がった。この災害に身を失った幾多の生命に心から哀悼の意を表すと共に、悲劇の生んだ幾多の美談佳話と七転八起、禍を転じて福となす人間畢生の精神力の偉大さとを長く後世に伝えたい。

参考:『和田區史』

 

和田八幡宮

和田八幡宮

由緒あり、歴史が刻まれ続ける神社

創建天徳三年(957年)、源満仲は悪夢を感じ、この地方は、洪水や疫病に襲われていました。満仲は矢を放ち、その矢が落ちた「福井市和田」に満仲八幡御宮と石に刻み、祈念し、護摩焚きをしたところ鎮まり、石清水八幡宮に順次、和田ノ庄に占い社殿を造営し、和田七郷の総社としました。

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やくよけばし

やくよけばし

和田八幡宮の顔

 江戸中期の建立で笏谷石製だそうです。『参考:福井新聞』
 福井市都市景観重要建造物に指定されています。神様の橋です。

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とういけべんざいてん

とういけべんざいてん

かつて供水とした池の水

 第四世の宮司賢純氏の奉建にかかる、前に池あって塔ノ池と称して八幡神社の供水にはこの水を使ったとのことですが、現在は時経て水枯れ、石祠はすたれ、ただ跡形のみを留めるのみ。と、1952年の書物には書いてありますが、現在写真の通り、立派に祀られております。

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九頭竜紋石

九頭竜紋石

龍神の紋様

 和田八幡宮公式HPによると、個人の方で長くお祀りされていた九頭竜紋石を和田八幡宮さんでお祀りすることになったそうです。

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厄割の岩

厄割の岩

厄を投げて割る

 なかなかの存在感を示す岩。
 こんな言い方をしていいかはわかりませんが、アトラクションとしても楽しいですね。

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稲荷明神

稲荷明神

和田八幡宮の境内社

 和田八幡の境内には多くの境内社があります。その中を代表して、稲荷明神さんを紹介します。数ある境内社の中で私が特に惹かれたのがこの稲荷明神。祠を守っている色鮮やかなお狐さんが私のお気に入りです。
 享保十二年(1728)創建。

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和田忠魂碑

和田忠魂碑

地中から復活した忠魂碑

 昭和十年、和田小学校と共に移築後、昭和二十年終戦後進駐軍から取壊しの勧告があった。しかし、碑石があまりにも大きく撤去の方法で議論された結果、地中深く埋没されることとなった。昭和二十五年、進駐軍の指令もようやくおさまって、又遺族及び戦災者の心情堪え難いため、再び八幡宮隣地に移転することになった。

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釈迦堂養仙寺

釈迦堂養仙寺

数々の秘仏が安置されている寺院

 和田八幡宮に合祀された多数の仏像が明治維新の際、神仏混淆を禁じられ、境内に堂を建立。その後増田喜三次が大修理し、現在地に堂を建立。
 本尊は釈迦如来。不動明王(伝教大師作)、大日如来、阿弥陀如来(恵心僧都作)、他多数の仏像が安置される。和田八幡宮境内には、十六院ありましたが、円持院養仙寺が本坊です。
 福井市の復興観音12番札所でもあります。

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日吉神社

日吉神社

地域に崇拝される氏神様

 祭礼、大山咋命。慶長三年(1598)建立。幾多の火災震災に遭い倒壊しましたが、何度も復興してきました。
 境内には地蔵菩薩と「震災慰霊碑」を書かれた観音様がいらっしゃいます。

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©2020 sinmai 参考:『和田區史』『和田区史』